どの食材も旬の時期に食べるのが最も美味しく、栄養価が高いとされていますね。
年間を通して安定して漁獲されるため鮮魚コーナーへ行けばいつでも手に入るイメージがあるしじみですが、しじみの旬の時期はあるのでしょうか。
ヤマトシジミとセタシジミ
日本の在来種のしじみはヤマトシジミ、セタシジミ、マシジミの3種類があります。このうち、淡水と海水が混じりあう汽水域に生息するヤマトシジミが日本の食用しじみのほとんどを占めています。セタシジミは琵琶湖とその周辺の河川の淡水域に生息するしじみで、近年漁獲高が激減して流通も減っていますが、京都とその周辺では人気のある食材です。マシジミは日本全国の淡水域にみられますが、食用としてはほとんど流通していません。
ヤマトシジミの旬
日本で流通するしじみの大半がヤマトシジミですが、ヤマトシジミには旬が年二回あるといいます。夏季の旬を迎えたしじみを「土用シジミ」、冬季の旬を迎えたしじみを「寒シジミ」と呼んでいます。
土用シジミ
夏に産卵期を迎えたヤマトシジミは身が殻いっぱいに大きくなり栄養価も最も高く、食感はぷりぷりしたものが獲れるといいます。この時期のしじみは身を食べる料理に使うのがおすすめです。
寒シジミ
冬の寒い時期、湖底にいるしじみは身が引き締まり、旨味成分であるアミノ酸をため込むため味が良くなるといいます。この時期のしじみはだしを味わう料理に使うのがおすすめです。
セタシジミの旬
年に二回旬を迎えるヤマトシジミに対し、セタシジミの旬は冬から春にかけての時期、年一回とされています。セタシジミも冬季には寒シジミと呼ばれ、身が肥えて美味しくなるほか、3~4月には産卵を控え旬のピークを迎えるということです。春のセタシジミはしじみの中でも最高の味といわれているそうです。
旬を味わうしじみ料理
旬の時期にしじみを味わうなら、もっとも美味しさを引き出せる料理にしたいものですね。土用シジミはご飯に炊き込みしじみ飯にすると身のぷりぷりとした食感を楽しめそうです。寒シジミはたっぷりダシをとってしじみのお味噌汁、さらにはしじみのうま味そのものを味わうためにすまし汁にしても美味しいでしょう。
年間を通して食べられるからこそ、旬の時期にはその違いがわかるともいえそうです。土用シジミと寒シジミ、ご自分なりの旬の味わい方を見つければ、健康に役立つしじみがさらにおいしく食べられそうですね。