健康食材としてのしじみの魅力のひとつに、さまざまな栄養素が含まれていることが挙げられます。オルニチンなど、しじみ特有で含まれている量が多い栄養素の他にも、健康のために摂っておきたい栄養素がたくさん含まれているのです。その中のひとつにビタミンEがあります。
ビタミンEとは
ビタミンEは抗酸化作用をもつビタミンで、複数の種類がありますが代表的なものがα(アルファ)トコフェロールと呼ばれるものです。油脂に溶ける脂溶性ビタミンで、アーモンドなどのナッツ類や植物油に多く含まれています。
強い抗酸化作用
ビタミンE自体は非常に酸化されやすい物質で、活性酸素とすばやく結びつくことで体内の脂質の酸化を防ぐ働きがあります。細胞に存在する不飽和脂肪酸は酸化されやすく、この不飽和脂肪酸が酸化され過酸化脂質となると細胞が破壊されやすくなってしまいます。そのためビタミンEは細胞を覆う細胞膜に多く存在して細胞を酸化から守っているのです。
ビタミンEが欠乏すると
ビタミンEは脂溶性ビタミンであるため体外に排出されづらく、欠乏状態にまでいたることはほとんどないようです。しかし、不足状態になると活性酸素の影響を受けやすくなり、シミ、皮膚の抵抗力の低下といった症状のほか、しびれや知覚異常などの神経症状もみられます。細胞膜の脂質が酸化し老化が進むため動脈硬化など生活習慣病のリスクが高まります。
ビタミンEが過剰だと
ビタミンEは脂溶性のビタミンとしては過剰症になりにくい傾向にあるとされていますので、サプリメントや薬などで大量摂取しない限り、過剰症は起きないと考えてよいでしょう。ビタミンE過剰症の症状としては軽度の肝障害、下痢や吐き気、筋力低下、さらに血が固まりづらくなり出血傾向になります。
しじみに含まれるビタミンE
しじみには100gあたり1.6mgのビタミンEが含まれています。厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準によりますと、成人男性は一日あたり6.5mg、成人女性は6.0mgの摂取が推奨されています。摂取上限量はその100倍以上になります。現代社会で生活しているとストレスから活性酸素の影響を受けやすいものです。サプリメントなどの上手な併用によって積極的に摂取していきましょう。
細胞を酸化から守る働きから、若返りのビタミンとも呼ばれているビタミンE。α-トコフェロールの名称で酸化防止剤としても使用されています。細胞を酸化から守るため日常的に消費されていくものですから、継続的な摂取を心がけましょう。