しじみの種類、ヤマトシジミとは

スーパーで見かける「しじみ」ですが、しじみにもいろいろな種類があることをご存知でしょうか?日本で獲れるしじみの多くはヤマトシジミと呼ばれる在来種です。ヤマトシジミについて詳しくご紹介します。

汽水域に生息するヤマトシジミ

しじみの一種であるヤマトシジミはマルスダレガイ目シジミ科に属する二枚貝で、和名を大和蜆(やまとしじみ)、学名をCorbicula japonicaといいます。汽水域(河口など海と川の水が混在する水域)に生息する在来種です。日本で漁獲されるしじみには他にマシジミとセタシジミがあります。セタシジミは淡水域に生息するしじみで、琵琶湖の特産種のため漁獲量が少なく、琵琶湖周辺のみで流通していましたが、諏訪湖や河口湖へも移入されています。マシジミは同じく淡水域に生息するシジミで複数地域に生息していますが、食用にはなるものの味が劣ることから漁獲量が多くないため、あまり流通していません。

島根県の宍道湖が最大の漁獲地

 ヤマトシジミは汽水域に生息する貝のため、淡水の湖では漁獲されません。南西諸島を除く日本全国の、海水が混在する汽水湖あるいは河口に生息していますが、漁獲高が多く産地として有名なのは島根県の宍道湖(しんじこ)です。他に利根川河口、北海道の網走湖、青森県の十三湖や小川原湖などが産地として有名です。

通年を通して漁獲される

ヤマトシジミの産卵は晩春から秋口にかけて、水温が10℃以下の冬から春にかけてはほとんど成長しません。珪藻類、鞭毛藻類、ワムシ類、デトリタス(生物の破片、死骸、排出物並びにそれらが分解されたもの)を餌として、寿命は10年程度、殻長2cm程度まで成長します。通年を通して漁獲されますが、旬は夏とされています。値段も安値で安定していますので、スーパーに行けば必ずみる食材のひとつと言えるでしょう。

国内で漁獲されるしじみの大半がヤマトシジミであるため、「国産しじみ」の表記があればほぼヤマトシジミと思って間違いないでしょう。夏が旬であるヤマトシジミは「土用シジミ」とも呼ばれています。夏バテで食欲が落ちたとき、しじみ汁をいただくと栄養がたくさん摂れますので、おすすめです。