食料自給率が低く、たくさんの食料を海外から輸入している日本ですが、しじみも例外ではありません。ひと昔まえまではほとんど国内産であったものが、国内での漁獲量の減少と輸入品の安価な価格に押され、輸入品の比率が高まっています。輸入されるしじみの原産国にはどのような国があるのでしょうか。
日本海近海の国々
輸入されるしじみの原産国として知られているのは、韓国、中国、台湾、ロシアが挙げられます。対北朝鮮の制裁措置による輸入禁止がなされるまでは北朝鮮産のしじみも多く輸入されていましたが、現在はゼロになっています。日本で漁獲されるしじみは汽水域(河口など海と川の水が混在する水域)で獲れるヤマトシジミ、淡水域で獲れるマシジミとセタシジミがありますが、輸入されるしじみはどれも日本在来種の三種のしじみとは異なっています。しかしながら、しじみは外見で種類を判断することは非常に難しいとされ、正確に判別するためにはDNA検査が必要になってきます。
減少傾向の中国産、韓国産しじみ
財務省の貿易統計によると、2007年までは合わせておよそ4,000トンの全輸入量の8割を超えていた中国産、韓国産ですが、2008年以降激減しています。輸入しじみについては毒性物質が検出されたことから、中国産についてはクロルテトラサイクリン、韓国産についてはエンドスルファンの検査命令がそれぞれ2005年、2007年に厚生労働省より出されていますので、その影響も少なからずあると思われます。
台頭するロシア産しじみ
代わって輸入量が激増しているのがロシア産のしじみです。同じく財務省の貿易統計によると、2007年は608トンであった輸入量が、2008年には1,229トン、2009年には2,300トンと増え、現在でも輸入量の半分以上はロシア産が占めているようです。激増の背景にはロシアでの漁獲量が増えたことに加え、北朝鮮からの輸出しじみが混入している可能性が危惧されています。
台湾産しじみ
台湾産のしじみも、2007年に82トンの輸入量であったものが2008年には252トンまで急増し、そのあとも200~300トンの輸入量を維持しています。台湾産のしじみはタイワンシジミ、黄金しじみと呼ばれ、品質の高さを評価してサプリメントに台湾産しじみを使用しているメーカーもあります。
他の食料品と同じく、価格に競争力があることから店頭で輸入しじみを見かける機会も多くなりました。安全性の面ではやはり国内産が一番と言えそうですが、ロシア産のしじみは肉厚で濃厚な味が評価されているようです。輸入しじみも上手に取り入れてみてください。