しじみとあさりと言えば、鮮魚コーナーでいつも見かけて簡単に手に入る貝類の代表格ですね。どちらもおみそ汁などに入れて手軽に味わうことができますが、大きさが異なること以外にこの二つの貝の違いについてご存知でしょうか。
しじみ
しじみ(蜆)とは、二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目シジミ科に分類される貝類の総称です。日本にはヤマトシジミ、セタシジミ、マシジミの三種類が在来種として自生していますが、食用しじみとして流通しているもののほとんどがヤマトシジミです。
ヤマトシジミ
ヤマトシジミは日本における漁獲量のほとんどを占める在来種です。寿命は10年程度、殻長2cm程度まで成長します。汽水域(河口など海と川の水が混在する水域)に生息しており、産地として有名なのは島根県の宍道湖、利根川河口、北海道の網走湖や青森県の十三湖や小川原湖などです。
しじみにはオルニチンが含まれている
しじみについて特筆すべき点は、オルニチンが含まれていることです。オルニチンは非必須遊離アミノ酸の一種で、オルニチンサイクルという回路でアンモニアの分解を促し肝機能のサポートをすることが知られています。またオルニチンはその他にコラーゲン合成の促進や成長ホルモンの分泌促進にも役立つことがわかっており、健康のために積極的に摂取したい栄養素のひとつとなっています。オルニチンが含まれていることがわかっている食品はあまり多くなく、他にエノキダケ、キハダマグロ、チーズなどが挙げられます。
あさり
あさり(浅蜊)とは、二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ上科マルスダレガイ科に属する貝です。日本各地の内湾や内海の干潟など、水深が10メートル以下の海水域に生息しています。寿命は8~9年ほど、殻長は9cmほどまで成長しますが、食用とされるのは3cm程度のものが多いようです。
あさりに含まれる栄養素
あさりには、しじみに含まれているほどオルニチンが豊富ではありません。しかし他の栄養は豊富に含まれており、ビタミンB12の含有量は貝類の中で一番と言われています。また、アミノ酸の一種であるタウリンも多く含まれています。タウリンは滋養強壮や栄養補給を目的に栄養ドリンクなどに多く配合されていますが、主に肝臓の働きを助け、コレステロールを下げることが知られています。
しじみとあさり、同じ二枚貝ですが大きさ以外にも意外と違いがありますね。特に、オルニチンが多く含まれているのはしじみだけですので、なんとなくあさりを選びがちであった方はしじみも取り入れると栄養素のバラエティを増やすことになりますので、おすすめです。