しじみに含まれる栄養素のひとつで、含有量が多いものが鉄分です。貧血予防には鉄分摂取が大切と心がけている方も多いでしょう。しじみ含まれる鉄分とその働きについてご紹介します。
鉄分とは
鉄、あるいは鉄分とは人体に欠かせない必須ミネラルのひとつです。赤血球を構成する成分であり、全身に酸素を運ぶ役割を担っています。体内には、実際に酸素を運ぶ機能鉄と、機能鉄が足りなくなった時のために体内に貯められている貯蔵鉄があります。
鉄分が不足すると
鉄分欠乏による代表的な症状は貧血です。貧血の90%は鉄分が不足することによって起きるとされ、血液中に含まれる血色素(ヘモグロビン)が減少して十分に酸素を運ぶことができず、細胞をはじめ体全体が酸素不足になり頭痛、めまい、倦怠感、動悸、息切れなどの症状が出ます。貧血は、機能鉄を使い果たし、さらに貯蔵鉄も欠乏状態で体内の鉄分が不足した時に症状として現れます。機能鉄が不足している状態は、貧血の予備軍といえるでしょう。
鉄分が過剰だと
鉄分は体内での吸収率が低く、また必要以上に吸収されない仕組みがあるため、過剰症の心配は通常ありません。薬などで過剰に、長期間摂取した場合、遺伝体質的に鉄分を貯蔵しやすい場合は過剰症として肝臓障害、嘔吐や便秘などの胃腸障害、不整脈、心筋障害、亜鉛の吸収阻害があげられます。
ヘム鉄と非ヘム鉄
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があります。一般的にヘム鉄のほうが非ヘム鉄より人体への吸収がよいとされています。ヘム鉄は魚や肉に、非ヘム鉄は野菜や穀類に含まれています。
しじみに含まれているのはヘム鉄
それでは、しじみに含まれている鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄どちらなのかというと、ヘム鉄になります。しじみの可食部100gあたり、ヘム鉄は4.3mg含まれているとされています。ヘム鉄を多く含む食材として豚レバー100gあたり13mg、鶏レバー100gあたり9mgですが、毎日のメニューへの取り入れやすさを考えるとしじみも優秀な鉄分源と言えるのではないでしょうか。
一日の必要量は
厚生労働省の発表によると、日本人成人男性の一日あたりの鉄分摂取目安は7.0~7.5mg、成人女性(月経なし)6.0~6.5mg、(月経あり)10.5mgとなっています。多くの日本人が摂取量に届いていないのが現状のようです。
酸素を運ぶという、非常に大切な役割を持っている鉄分は日常的に気を付けて摂取しておきたい成分です。健康な毎日を送るためしじみもその中に上手に取り入れてみてください。
参考文献
しじみに含まれる鉄分量とその効果
https://www.augfrance.com/Microcam06/macx/intromacosx.html