しじみと言えば昔からの家庭の味で、鮮魚コーナーに行けばいつでも手に入るものというイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。しかし、そのしじみが近年また人気を集めています。なぜなのでしょうか。
平凡な家庭の味
しじみというと、お味噌汁やお吸い物、地域によってはつくだ煮などで古くから家庭の味として食されてきました。国内の汽水域（淡水と海水が混ざり合う水域）で年間を通して安定的に漁獲され、値段も比較的安価なため季節を問わず家庭の食卓にならぶ食材のひとつと言えます。似たような貝類のアサリと並んで、お味噌汁の具材の代表的なものとしても挙げられますね。
しじみだけに含まれる成分
平凡な食材であったしじみですが、ある成分が含まれていること、その成分の効能が明らかになるにつれ一躍脚光を浴びだします。その成分とは、オルニチンです。
オルニチンが含まれる代表的な食材に
二日酔いにはしじみ汁が良い、とは昔から言われてきたことですが、なぜ良いのかは長らくわかっていませんでした。しかし、オルニチンという成分の働きについて研究が進むと、オルニチンサイクルという回路で疲労物質の分解し肝臓の機能を助けていることがわかってきました。また、オルニチンは他の二枚貝にはほとんど含まれておらず、しじみだけに多く含まれています。ありふれた食材であったしじみが見直され始めました。
老若男女が摂取したいしじみ
オルニチンが含まれていることから注目を浴び始めたしじみは、研究されその他にも有用な成分を含んでいることがわかってきました。うま味の元であるコハク酸はがん細胞の増殖を抑制する効果が確認されていますし、ビタミンB群、鉄分は女性も積極的に摂取したい成分です。当初、肝機能サポートの効能からアルコール摂取の多い年配の男性向けと言ったイメージがあったしじみですが、年齢・性別問わず積極的に摂取したい食材として人気を集めるようになったのです。
しじみが人気なわけをご紹介しましたが、お味噌汁など料理に手軽に取り入れやすいほか、多様なサプリメントが開発・発売されているのも人気が継続している理由と言えそうです。健康のため、ご自身のライフスタイルに取り入れやすい形でしじみを摂取してみることをおすすめします。