様々な栄養素が含まれていて健康に役立つしじみですが、含まれている栄養素のうちで代表的なもののひとつにカルシウムがあります。カルシウムの摂取はとても大切だと、子供の時から言われて育った方も多いのではないでしょうか。カルシウムの働きと、しじみに含まれるカルシウムについてご紹介します。
カルシウムとは
積極的に摂ることを推奨されているミネラルの中で、最もよく聞く成分と言っても過言ではないのでしょうか。体内に最も多く含まれるミネラルであり、誰もが思い浮かべる働きとして、骨や歯を作っている、ということが挙げられます。筋肉の収縮と拡張、筋肉の機能、神経の伝達、細胞内のシグナル伝達およびホルモン分泌に大きな役割を果たしています。
カルシウムが不足すると
カルシウムはどの食品にも豊富に含まれているものではなく、また体内での吸収率も高くないことから、意識して摂取しないと比較的簡単に不足してしまう栄養素です。しかしながら、骨や歯に多く蓄えられているため短期的には顕著な症状があらわれることはありません。腎不全や胃の切除などの医学的な措置により低カルシウム血症となった場合は手指のしびれやうずき、けいれん、食欲減退、心拍リズムの異常などが症状としてあらわれ、治療を行わなければ死に至ることもあります。長期的に不足状態が続くと、骨減少症が発現し、さらに進行すると骨粗しょう症となります。
カルシウムが過剰だと
通常は不足方向になりがちなカルシウムですが、薬やサプリメントでカルシウムを過剰摂取した場合は過剰症が起こりえます。カルシウムを大量摂取すると便秘になることがあります。さらにカルシウムの血中濃度が上昇し高カルシウム血症となると、腎機能不全、血管/軟組織の石灰化、高カルシウム尿症および腎臓結石のおそれがありますが、高カルシウム血症となるほとんどの原因は原発性副甲状腺機能亢進症または悪性病変によるものです。
しじみに含まれるカルシウム
ではしじみにはどのくらいのカルシウムが含まれているかというと、可食部100gあたり130mgとされています。ちなみにカルシウム摂取の象徴的な食品である牛乳は100gあたりのカルシウム含有量は110gと、しじみより少ないのです。厚生労働省が発表した日本人の栄養素摂取基準によると、1日あたりのカルシウム摂取目安は成人男性で650mg~800mg、成人女性で650mgとなっています。カルシウムをさまざまな食品の組み合わせから摂取しようとするとき、しじみもその選択肢のひとつとなりますね。
人間が生きていくうえでなくてはならない栄養素であるカルシウムは、日本人では不足傾向にあります。日本の水は軟水であるため、植物に含まれるミネラル分が欧米に比べて少なく、伝統的な日本料理には乳製品が少ないことも一因です。カルシウムが含まれる食材を意識して摂取するようにしましょう。
参考文献
しじみに含まれるカルシウム
https://areadirectors.org/ca.html